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かいじんにじゅうめんそう
怪人二十面相/少年探偵団
江戸川 乱歩
Read 怪人二十面相/少年探偵団 (かいじんにじゅうめんそう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 212,130 characters · 422 screens
先方では、にこにこ笑いかけていますけれど、小林君はまったく見知らぬ人でした。
「もしやきみは、明智さんのところの方じゃありませんか。」
紳士は、太いやさしい声でたずねました。
「ええ、そうですが……。」
けげん顔の少年の顔を見て、紳士はうなずきながら、
「わたしは、外務省の辻野という者だが、この列車で明智さんが帰られることがわかったものだから、非公式にお出むかえにきたのですよ。少し内密の用件もあるのでね。」
と説明しました。
「ああ、そうですか。ぼく、先生の助手の小林っていうんです。」
帽子をとって、おじぎをしますと、辻野氏はいっそうにこやかな顔になって、
「ああ、きみの名は聞いていますよ。じつは、いつか新聞に出た写真で、きみの顔を見おぼえていたものだから、こうして声をかけたのですよ。二十面相との一騎うちはみごとでしたねえ。きみの人気はたいしたものですよ。わたしのうちの子どもたちも大の小林ファンです。ハハハ……。」
と、しきりにほめたてるのです。
小林君は少しはずかしくなって、パッと顔を赤くしないではいられませんでした。
「二十面相といえば、修善寺では明智さんの名まえをかたったりして、ずいぶん思いきったまねをするね。