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かいじんにじゅうめんそう

怪人二十面相/少年探偵団

江戸川 乱歩

Read 怪人二十面相/少年探偵団 (かいじんにじゅうめんそう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 212,130 characters · 422 screens

Aozora Bunko

裏のあき家というのは、日本建ての商家でしたが、その奥座敷でも、ちょうど大鳥時計店の奥座敷と同じように、一枚の畳があげられ、床板がはずされ、その下に黒い土があらわれていました。

その土のまんなかに、ここには鉄板のふたなどなくて、ポッカリとぬけ穴の口が大きくひらいているのです。

ぬけ穴のまわりには、五名の制服警官が、あるいは床下に立ち、あるいは畳にこしかけ、あるいは座敷につっ立って、じっと見はりをつづけていました。むろん電燈はつけず、いざというときの用意には、中のふたりが懐中電燈をたずさえているのです。

「明智さんがもう少し早く、このぬけ穴を発見してくれたら、塔をぬすみだした手下のやつも、ひっとらえることができたんだがなあ。」

ひとりの警官が、ささやき声で、ざんねんそうにいいました。

「だが、二十面相さえとらえてしまえば、手下なんか一網打尽だよ。それにぬすまれた塔はにせものだっていうじゃないか。ともかく親玉さえつかまえてしまえば、こっちのもんだ。ああ、早く出てこないかなあ。」

べつの警官が、腕をさすりながら、待ちどおしそうに答えるのです。

たばこをすうのもえんりょして、じっと暗やみの中に待っている待ちどおしさ。