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かいじんにじゅうめんそう
怪人二十面相/少年探偵団
江戸川 乱歩
Read 怪人二十面相/少年探偵団 (かいじんにじゅうめんそう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 212,130 characters · 422 screens
東京の人は、マンホールなどには、なれっこになっていて、そのうえを歩いても、気のつかぬことが多いのです。
五人の警官がしょうぜんとして大鳥時計店にたちかえり、事のしだいを明智に報告したのは、それから二十分ほどのちのことでした。
それを聞いて、明智探偵は失望したでしょうか。警官たちの失策にかんしゃくをおこしたでしょうか。いやいや、けっしてそうではありませんでした。読者諸君、ご安心ください。われわれの名探偵はこれしきの失敗に勇気をうしなうような人物ではありません。彼のすばらしい脳髄に、まだまだとっておきの奥の手が、ちゃんと用意されていたのです。
「いや、ご苦労でした。ぼくもあいつがぬけ穴の中に変装の衣装をかくしていようとは思いもおよばなかった。しかし、諸君、失望なさることはありませんよ。こういうこともあろうかと、ぼくはちゃんと、もう一だん奥の用意がしてあるのです。
二十面相はしゅびよく逃げおおせたつもりでいても、まだぼくの張った網の中からのがれることができないのです。見ていてください。明朝までには、きっと諸君のかたきをとってあげますよ。
ほんとうをいえば、あいつが逃げてくれたのは思うつぼなのです。