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かいじんにじゅうめんそう
怪人二十面相/少年探偵団
江戸川 乱歩
Read 怪人二十面相/少年探偵団 (かいじんにじゅうめんそう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 212,130 characters · 422 screens
二十面相は、どうやらこの声に聞きおぼえがありました。ああ、ひょっとしたら、あいつじゃないかしら。きっとあいつだ。ちくしょうめ、あいつにちがいない。しかし、彼はおそろしくて、その名を口にだすこともできないのでした。
「ハハハ……、まだわからないかね。ぼくだよ。ぼくだよ。」
部下の男は、ほがらかに笑いながら、顔いちめんのつけひげを、皮をはぐようにめくりとりました。
すると、その下から、にこやかな青年紳士の顔があらわれてきたのです。
「アッ、きさま、明智小五郎!」
「そうだよ、ぼくも変装はまずくはないようだね。本家本元のきみをごまかすことができたんだからね。もっとも、けさは夜が明けたばかりで、まだうす暗かったし、この地下室も、ひどく暗いのだから、そんなにいばれたわけでもないがね。」
ああ、それは意外にもわれらの明智探偵だったのです。
二十面相は、一時はギョッと顔色をかえましたが、相手が化けものでもなんでもなく、明智探偵とわかりますと、さすがは怪人、やがてだんだん落ちつきをとりもどしました。
「で、おれをどうしようというのだね。探偵さん。」
彼はにくにくしく言いながら、傍若無人に地下室の出口のほうへ歩いていこうとするのです。