Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

Read 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) by 室生 犀星 (むろうさいせい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 116,728 characters · 231 screens

Aozora Bunko

芥川龍之介はそれを偽善者だと言ったが、それは芥川の警句の中でも一等拙い警句であった。姪であろうが従妹であろうが、これを愛するのに何の怖れをこの人生に感じるものか、悪い事をしているわけではない、愛しているのである、人生には愛しているという実際の事では一つも悪いことはない、しかも藤村はその時は独身だった。愛していることは人間の倖せ最中なのだから、われわれはそれを傍から騒ぐのはばかを見るだけだ。たまに愛というものが死に振り返えられるかも判らない、いまでも、そんな損だらけの道をえらぶ人もいるが、愛していたら途方もなくぬけぬけと生きぬくことだ、藤村のえらんだ道は立派で新しい、一さいを自分の中にしまいこんで、少しも、まようことなく愛していたからである。

(前略)

ああ、孤独の悲痛を

味ひ知れる人ならで

誰にかたらん冬の日の

かくもわびしき野のけしき     (後略)

黄昏

つと立ちよれば垣根には

露草の花さきにけり

さまよひくれば夕雲や

これぞこひしき門辺なる

瓦の屋根に烏啼き

烏帰りて日は暮れぬ

おとづれもせず去にもせで

螢と共にこゝをあちこち

いまから三十五年くらい前に、『赤い鳥』