Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
せんごしんじんろん
戦後新人論
Read 戦後新人論 (せんごしんじんろん) by Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 7,363 characters · 15 screens
まして、勝負のつけようのない他の芸能界に於ては、マカ不思議な批評の仕方や、迷信的評価規準が横行するのは仕方がないかも知れない。
五代目はうまかった。円朝はどうだ、小さんがどうだ、今の奴はなっていない、と云う見識のない老人はみんなこう云いたがるもので、五代目や円朝、小さんの生きていたころの老人は、さらに一昔前をなつかしがって、その現代を軽蔑したに極っている。
老人というものは、昔の時代に生きていて、現代には生きていないものであるから、そう云うのが当然で、つまり現代から捨てられ見放されている残骸にすぎない。
安藤鶴夫氏は趣味家で、失われたものゝ良さを現代に伝えてくれる有難い人であるが、わりに老人めいたグチがなく、識見の底が広いようでいて、やっぱり濁りがある。現代に生きていないのである。
法隆寺は今日では最も幽玄な芸術的遺物であるが、その造られた当初に於ては、俗衆の目を見はらせてアッと感嘆せしめるために、人力の限りをつくして、当時最大の豪奢を狙い、華美をつくしたもので、日光の東照宮の造営精神と異るところはなく、雅叙園の建築精神と異るところもない。
落語とても、本来はそうで、八ッつぁん熊さんが粋がっているのも、当時の新流行で、今日の青年がジャズに興ずる如く、当時の青年の生活がそこに実存していたにすぎないのである