Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

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ぎじしんねん

擬似新年

大下 宇陀児

Read 擬似新年 (ぎじしんねん) by 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,694 characters · 10 screens

Aozora Bunko

などは、敬語がつかなくてもいいけれど、米をありがたく思う表現として、敬語をつけるのも、また床しいことであると話したり、最後にこの「お」の字の使い方を論じだした。

「お」は、へんなところへ使うと、滑稽でもある。

最近何かの新聞に、伊香保で、蘆花せんべいというものにつき、元祖と偽ものとの争いが起つて、その一方が譲歩した結果「お」の字を加えることにして「お蘆花せんべい」と名付けたという記事が載つていた。が、これでは、愚かせんべいで、どうもへんである。

「お天気がお悪うございます」などいうのは、どうも「お」が多すぎる。どちらか一方にするか、または、両方とも取つてしまつてさしつかえがない。

おみおつけ――は、もう慣れてしまつて、そういわないと、感じが出ないのであろう。お便所というのは却つてよけいに汚くなるようだし、かわや――は、それだけですでに、汚い感じを避けた言葉になつているから、おかわやという必要はなく、むしろ、きれいにいうのだつたら、それも男が使うとちよつとへんだけれど、お手洗いがいいだろう。だいたい、「お」を使うのは、センスの問題でもある。法律や憲法で決めたのじやないのだから、使い方は自由であるけれども、どこへ適切に使うかは、結局センスできまることである。