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せいだんつきのかがみ
政談月の鏡
三遊亭 円朝
Read 政談月の鏡 (せいだんつきのかがみ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 54,603 characters · 108 screens
子が有ったと」
筆「はい、お妾の腹に出来ました鐵之丞と申します者を世に出だそうというお妾の悪計に附きました者もございまして、御本腹の金之丞様を毒害しようと云う悪計もございましたと云う事は薄々聞きました事で」
甲「うむ、其の方に叔父が有るか」
筆「はい、ございます」
甲「是なる清左衞門の兄で有るか弟か」
筆「弟でございます」
甲「うむ、それはまだ監物の屋敷に居るか」
筆「未だ居るでございましょう」
甲「吉田監物家来下河原清左衞門、其の方は武士道が立難いに依って身体の醢になり骨が砕けても云わんと申したが娘が親を助け度いと云う孝心から此の事を申したのじゃから其の方に於て武士道の立たんと申す事は聊もない、筆、叔父の名は園八郎と申すで有ろうの」
筆「はい園八郎と申します」
甲「能く申した今日は此の儘下げ遣わす、こら町役人筆を確と預け置くぞ、明日改めて呼び出すから左様心得ろ」
○「畏りましてございます」
甲「双方立ちませえ」
と云うので双方ともに起ち、下河原清左衞門は仮牢へ這入り、お筆は町役人が預かって帰りました。孫右衞門の悦びは一通りでありません。