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せいだんつきのかがみ
政談月の鏡
三遊亭 円朝
Read 政談月の鏡 (せいだんつきのかがみ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 54,603 characters · 108 screens
処を見ると何となく羨しくなる」
喜「え、殿様もお嗜きで、極好い酒が有ります、私ゃア番太郎ですが江戸ッ子の番太郎は余り無えんです、極好い酒が有りますから、誠に失礼ですが一つ召上れ」
武「それは辱いなア」
梅「あらまア御免遊ばせ酔って居りますから、お前さん何と云う事だよ、お武家様を番太郎の家などへお上げ申す事が出来ますものかね」
喜「いや嗜きじゃア堪らねえ、ねエ殿様、此方へお上んなさい、長い刀を一本半分差して斯ういう家に上ると身体を横にしなければ這入れませんよ」
武「是は御家内か、私も酒が嗜きでな、此処を通る度に御亭主が飲んで居る、今一寸買物をして見ると矢張飲んで居て羨しく遂やる気になりました」
梅「でも汚ない此んな狭い処へ」
喜「宜いから黙ってろ、殿様此女の里は白銀町の白旗稲荷の神主の娘ですが、何うしたんだか、亭主思いで、私が酒を飲んでは世話を焼かせますが、能く面倒を見ます」
梅「お止しよ」
武「では一盃戴こうか」
喜「お酌をして上げな、大きい盃で」
武「これは御内儀痛み入りますな、お酌で」
梅「誠に何うも召上る物が有りませんで」