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せいだんつきのかがみ
政談月の鏡
三遊亭 円朝
Read 政談月の鏡 (せいだんつきのかがみ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 54,603 characters · 108 screens
男「アヽ、美い女だ美い娘だねえ、五百やるから材木の蔭へ這入らないか」
などという悪い奴が中には有ります、お筆は驚いて御免遊ばせと云って逃出しましたが、段々寒くなるに従って人通りがなくなり、十二月の月に這入ってヒュウ/\と云う風が烈しいから夜に入ると犬の吠える許り、往来は絶えて一人も通らんから、もう仕方がない私の様な者でも人様の云う事を聞けば五百文でもやると仰しゃるが、身を売ってもお父さんを助けたいけれども、私が居なければ介抱をしてもなし、お父さんに御飯をたべさせる事も出来ないから、身を売る訳にも行かず、進退谷まりまして誰にも知れる気遣いないから、思い切って、身を穢してもお銭を貰ってお父さんに薬も飲ませ、旨い物を喰べさせて上げたいと可哀想に僅五百か六百の銭の為に此の孝行の美婦人が身を穢しても親を助けようという了簡になりましたのは実に不幸の娘であります。九ツも過ぎ、芝の大鐘は八ツ時でちらり/\と雪の花が顔に当る処へ、向うから白張の小田原提灯を点けて、ドッシリした黒羅紗の羽織に黒縮緬の宗十郎頭巾に紺甲斐絹のパッチ尻端折、紺足袋に雪駄穿き蝋色鞘の茶柄の大小を落差しにしてチャラリチャラリとやって参りました、此の武家にお筆が頼み入る