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せいだんつきのかがみ
政談月の鏡
三遊亭 円朝
Read 政談月の鏡 (せいだんつきのかがみ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 54,603 characters · 108 screens
とシク/\泣出しました、
×「泣上戸だな、泣きなさんなよ、涙を零して見っともねえ鬼の眼に涙だ」
△「鬼でも蛇でも構ア事アねえ、余り口惜しいから云うんだ」
×「おい、止せてえ事よ」
話をして居ますると衝立の陰からずいと出た武家は黒無地の羽織、四分一拵えの大小、胸高に帯を締めて品格の好い男、年頃は廿七八でもありましょう、色白で眉毛の濃い口許に愛敬の有る人物が、
武家「是は何うも大分機嫌だのう」
△「えへゝゝ是は殿様………御免なさい、隣席にお在でとも存じやせんで」
武「いや衝立の陰で先刻から一盃やって居た、職人のお前達の話は又別段で」
△「えへゝゝ旨く云ってらっしゃるね」
×「殿様御免なすってから大きな声をして、此奴ア少し喰い酔ってるもんですから詰らん事を云って、何卒お構いなく彼方へお出でなすって」
武家「あはゝゝ馳走になろう、合をしよう、もう一銚子附けさせろ、身共も一盃馳走に成ろう」
△「えへゝゝ旨く云ってらア、殿様は如才ねえや、巧えや」
武「酌を仕様」
×「いえ殿様、此方でします」
武「いや酌をしよう」
△「えへゝゝ是は有難うございます、何れお浮れでございますな、昨夜廓内へ行って」