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せいだんつきのかがみ
政談月の鏡
三遊亭 円朝
Read 政談月の鏡 (せいだんつきのかがみ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 54,603 characters · 108 screens
気遣いはございません、繊細い身体ですから、其の上今迄引続いて苦労ばかりして居りますので、身体が大概傷んで居ります処へ又牢へ這入り寒い思いをして、彼に万一の事でも有りますと、私は此の通り腰が抜けて居る、他に身寄頼はなし死ぬより他に仕方がございません、お家主さん貴方何卒筆がお免しに成って帰れる様にお願いなすって下さいまし」
家「願うと云う訳にゃアいけない、素より家尻を切って取った八百両の内の金子だと云うから、何れ其金を呉れた奴が有るんだろうが、其奴が出さえすれば宜いんだが、お調べが容易に届けば宜いが、調べが届きさえすれば彼の娘は帰るんだからね、是も災難だ」
孫「災難だって此様な災難が有る訳のものじゃア有りません」
家「お前が困るなら宅の奴も来るし、又長家の者も世話をして呉れるから然う泣いてばかり居ちゃア身体が堪らねえ」
孫「えゝ、神も仏もないんで、此様な災難に罹るてえのは、あゝ私は死にたい」
家「其様な気の弱い事を言ってはいけない、いか程死度いからって死なれる訳のものではない」
と頻りに宥めて居る処へ、門口から立派な扮装をして、色白な眉毛の濃い、品格と云い容子と云い先ずお旗下なら千石以上取りの若隠居とか、次三男とか云う