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かたきうちふだしょのれいげん
敵討札所の霊験
三遊亭 円朝
Read 敵討札所の霊験 (かたきうちふだしょのれいげん) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 125,950 characters · 249 screens
五十
山之助お繼は其の晩遅く落合に泊り、翌朝になりまして落合を出立致して、大井といふ処へ出ました。これから大久手細久手へ掛り、御嶽伏水といふ処を通りまして、太田の渡しを渡って、太田の宿の加納屋という木賃宿に泊ります。ちょうど落合から是れまでは十二里余の道でございますが、只今とは違って開けぬ往来、その頃馬方が唄にも唄いましたのは木曾の桟橋太田の渡し、碓氷峠が無けりゃア宜いと申す唄で、馬士などが綱を牽きながら大声で唄いましたものでございます。さて時候は未だ秋の末でございますが、此の年の寒さも早く、殊に山国の習いで、ちらり/\と雪が降って参りまする。山之助お繼も致し方がございませんから無理にも出立致そうと思いまするが、だん/\と雪の上に雪が積りまして、山又山の九十九折の道が絶えまするから、心ならずも先此処に逗留致さんければ相成りません、なれども本来修行の身の上でございますから、雪も恐れずに立とうと思うと、山之助が慣れぬ旅の心配を致しました故か、初めて病と云うものを覚えて、どうと枕に就きまする。加納屋の亭主も種々心配致しまするが、連の者が居るから手当は出来ようと医者を連れて来て薬を貰い、種々と手当を致しますが、何分にも山之助の病気は容易に全快致しません。