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かたきうちふだしょのれいげん
敵討札所の霊験
三遊亭 円朝
Read 敵討札所の霊験 (かたきうちふだしょのれいげん) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 125,950 characters · 249 screens
者もあり、小僧も彼方此方へ付きまして内がもめまする。先妻は葛西の小岩井村の百姓文左衞門の娘で、大根畠という処に淺井様と云うお旗下がございまして其の処へ十一歳から奉公をして居りましたから、江戸言葉になりまして、それに極堅い人で、家を治めて居りました処が、夭死を致しましたけれども、田舎は堅いから娘を嫁付けますと盆暮には屹と参りますが、此方では女房が死んでからは少しも音信をしない、けれども、向うには二人の孫があるので、柿時には柿を脊負って婆様が出掛けて来ます。
婆「はア御免なせえ」
男「へいお出でなさい、久しくお出でなさいませんね」
婆「誠に無沙汰アしました、皆は変りねえか」
男「へい皆変る事もござりません…あの坊ちゃん田舎のお婆さんがお出でなすったよ」
と云うと嬉しいから、ちょこ/\と駈出して来て、
正「お婆さんおいで」
婆「何うした、毎度来てえ/\と思っても忙しくて来られねえで、汝が顔を見てえと思って来たが、なにかお繼は達者か、なにか店へも出ねえが疱瘡したか、然うだってえ話い聞いた、それ汝がに柿を持って来た、はア喰え」
正「柿、有難う、田舎のお婆さんが柿を持って来てくれると宜いって然ういって居たが、お父さんが、あのまだ青いから最う少したって、お月見時分には赤くなるからってそう云ったよ」