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くうきぽんぷ
新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ
Read 新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ (くうきぽんぷ) by Niimi Nankichi (新美 南吉) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 41,209 characters · 85 screens
大作君は弁当を持って、和五郎さんの麦畠の方へいった。そこの畠でお父さんは手つだっているはずだった。
菓子屋の勝助さんと床屋の家のあいだを通りぬけると、西の方に和五郎さんの麦畠がみえた。もう麦はみなかられて、たばねられてあった。畠のこちらのすみでは、和五郎さんとおかみさんが脱穀していた。向こうからだれかが麦を肩にかついで運んできた。その人は少年のようにすとすとと畠中を走って運んでいた。はじめ大作君は、それがどこかの少年かと思った。なぜならおとなはめったに走ったりしないものなので。しかし、大作君がもっと近くへいって、和五郎さんとおかみさんが笑いながら「加重さん、そう走らんでもええがン、もっとぼつぼつやっとくれや。」といっているのを聞くと、それがほかならぬお父さんの加重さんであることがわかった。
お百姓の和五郎さんとおかみさんは、加重さんの走り方がおかしいといって笑いころげた。ふたりは、加重さんがおどけてそんなことをしていると思ったのだ。大作君もはじめそう思って、和五郎さんたちといっしょにお父さんの方をみながら、笑って立っていた。なんというひょうきん者のお父さんだろう。