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にほんイデオロギーろん
日本イデオロギー論
戸坂 潤
Read 日本イデオロギー論 (にほんイデオロギーろん) by 戸坂 潤 (とさかじゅん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 263,376 characters · 511 screens
知り又教えさえする処となったのである。
自負する処の大きいものが、自負を裏切られた場合、その事情を過大に評価するのは無理からぬことだ。自負はすぐ様、それだけの自卑にまで転化するのは極めて自然だろう。でここで、インテリにつきものとも云われる甚だ深刻な(?)苦悩が初めて始まったわけである(今日某々の文芸評論家達は今だに事新しいインテリの「苦悩」に悩んでいるらしく見えるが、之は全くこの旧インテリ狼狽期への遺伝的なアタビスムス・祖先帰り・の意味を持っているのだ)。そこで当時の甚だ多くの最も代表的な悪質インテリ達は、歴史的役割に於ける自らの無能をば、本来ならば批判し矯正し又利用さえすべき筈の処を、その代りに、寧ろ之を極めて安易に受け容れ皮相に覚え込み、やがて甚だしいのになると、一種の得意の種にまでさえすりかえて了った。青白きインテリの嘆きはここから実は一種のインテリ宣言の意味をさえ持つようになって来た。つまり不幸な人間は、その不幸という点に就いて、幸福な人間よりも特権的だというわけである。
いかにも之はインテリゲンチャの消極的な弱点だけを特権的に誇張したもので、そして他ならぬこの自己誇張癖などこそインテリの最悪な馬鹿々々しさに他ならないのだが、あくまで彼等が、この自負にしろ自卑にしろとも角凡ゆる場合自己誇張癖をば