Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
しゅんせつせん
日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集
葉山 嘉樹
Read 日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集 (しゅんせつせん) by 葉山 嘉樹 (はやまよしき) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 34,935 characters · 73 screens
濡れ蓆位被せたって、そんなものは問題じゃなかった。
鶏冠山砲台を、土台ぐるみ、むくむくっとでんぐりがえす処の、爆破力を持ったダイナマイトの威力だから、大きくもあろうか?
主として、冬は川が涸れる。川の水が涸れないと、川の中の発電所の仕事はひどくやり難い。いや、殆んど出来ない。一冬で出来上らないと、春、夏、秋を休んで、又その次の冬でないと仕事が出来ない。
一冬で、巨大な穴、数万キロの発電所の掘鑿をやるのには、ダイナマイトも坑夫も多量に「消費」されねばならなかった。
午後六時の上り発破の時であった。
昼過ぎから猛烈な吹雪が襲って来たので、捲上の人夫や、捨場の人夫や、バラス取り、砂揚げの連中は「五分」で上ってしまった。
坑夫だって人間である以上、早仕舞いにして上りたいのは、他の連中と些も違いはなかった。
だが、掘鑿は急がれているのだ。期限までに仕上ると、会社から組には十万円、組から親方には三万円の賞与が出るのだ。仕上らないと罰金だ。
何しろ、ポムプへ引いてある動力線の電柱が、草見たいに撓む程、風が雪と混って吹いた。
鼻と云わず口と云わず、出鱈目に雪が吹きつけた。