Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
めいあんよめもんどう
明暗嫁問答
山本 周五郎
Read 明暗嫁問答 (めいあんよめもんどう) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 20,984 characters · 43 screens
「拝見つかまつります」お笛は楓の植わっている半胴を両手で押え、美しい指でしずかに撫でまわした、「さかしらを申してお恥かしゅうございますが、やはり饒州のほうが同じ白でも澄んでいるように存じます」
「それを白の秘色というのだ」
「肌理の密かな、手触りにしっとり厚味のあるところも、やはり饒州のほうがすぐれているように存じます」
白魚をのべたような指で、飽かず鉢の肌を撫でているさまは、どうやら唯の軽薄ではなく心からたのしんでいるようすである、勘太夫すっかり嬉しくなってしまった。
「ではこちらを見ろ、これは薩摩の青磁だ、色の冴えないのは瑠璃南京を写したものだろう、家中にも草木いじりをする者はあるが、たいてい石台か花壇植えで、このように多く鉢を使っているのはわしくらいのものだ。それから向うに見せるものがある、ついてまいれ」
こんなわけで、老人は半刻あまりお笛を相手にすっかり熱をあげてしまった。
「どうもおれは人が好すぎる」その夜勘太夫はいまいましげに舌打ちをした、「あいついかにも焼物が好きなような顔をするものだから、ついひっかかって乗せられてしまった、こんなことでは性根を掴むどころか、あべこべにこっちが鼻毛を読まれるくらいのものだ、もっと要心してかからぬととんだ