Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Read 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) by 岡本 綺堂 (おかもときどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 215,744 characters · 434 screens

Aozora Bunko

それを見て、男同士はなにか小声で云いながら、怱々に引っ返してしまいました」

「連れの女はどうした」

「連れの女はあとの方から眺めているだけで、これも黙って立ち去りました」

この事実を眼のまえに見ていながら、彼等はそれを口外しなかったのは、自分たちの秘密露顕を恐れたからである。あの観世物小屋には人間が忍ばせてあるなどという噂が立っては、商売は丸潰れになるばかりか、どんな咎めを受けないとも限らないので、かれらは素知らぬ顔をしていたのである。

「よし、それで大抵わかった。いずれ又よび出すかも知れねえが、そのときにも今の通り、正直に申し立てるのだぞ」

半七は二人に云い聞かせて、左の裏口から出ると、そこには亀吉が待っていた。

「親分、どうでした」

「もういい。これから八丁堀へ行って、きょうの顛末を旦那に話して、それぞれに手配りをしなけりゃあならねえ」

そこへ善八も廻って来た。

「駿河屋の女隠居を殺した奴らは三人だ」と、半七はあるきながらささやいた。「若けえ男というのは駿河屋の養子の信次郎だ。年頃から人相がそれに相違ねえ。女は列び茶屋のお米だ。もう一人の男が判らねえ」

「音造じゃありませんか」