Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Read 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) by 岡本 綺堂 (おかもときどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 217,272 characters · 434 screens
そうして、どうせ再縁するならば、気ごころの知れないところへ行くよりも、いっそ親類か同商売の家へ行った方がよかろうなどと云った。それから考えても、かれが飽くまでもお国に思いをかけていることは明白である。
当日の朝、庄五郎が出て行ったあとで、かれがその門を叩いたのは、その犯跡を晦まそうが為である。実は庄五郎よりも一と足さきに行っていて、あとから来た庄五郎を何かの機会で海へ突き落として置いて、更に引っ返して来てその門を叩いて、これから出かけて行くように粧ったものであろうと認められた。その人殺しの目的はいうまでもなく、亭主を葬ってその女房を奪おうとするにあることは、あの女に亭主がなければと彼が曾て口走った事実によって、明らかに証拠立てられている。殊にその朝、かれは約束の場所に待ちあわせていないで、あき茶屋の葭簀の中に寝込んでしまったなどと曖昧なことを申し立てているのも、ますます彼のうたがいを強める材料となった。
元来この事件はさのみ重大にも認められず、最初の検視では単に庄五郎自身の過失で海中に転げ込んだものとして、至極手軽く済んでしまったのであるが、ここを縄張りとする伊豆屋の一家ではそのままに見過ごさないで、一の子分の妻吉が主として探索の末に、かの平七がお国に恋慕していて、亭主がなければと冗談のように云ったこと