Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Read 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) by 岡本 綺堂 (おかもときどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 217,272 characters · 434 screens
人に殺されたというわけでも無し、自分で首を縊ったのでございますから、検視のお役人方も別にむずかしい御詮議もなさいませんでした」
「御検視が無事に済めば結構、わたし達が差し出るにゃあ及びませんが、ともかくもお悔みながらお店まで参りましょう。おい、亀も松も一緒に行ってくれ」
幸八は駕籠を待たせてあるので、お先へ御免を蒙りますとことわって帰った。半七は途中で箱入りの線香を買って、三人連れで大木戸へむかった。雨は幸いにやんだが、暗い夜であった。
「ひょっとすると、丸多の亭主は首くくりじゃあねえ。誰かに縊られたのかも知れねえな」と、半七はあるきながら云った。
「やっぱり大津屋の奴らでしょうか」と、亀吉は小声で訊いた。
「絞め殺して置いて、木の枝へぶら下げて置くというのは、よくある手だ」と、松吉も云った。
「まあ、行ってみたらなんとか見当が付くだろう」と、半七は云った。「もしそうならば、大目に見て置くどころか、あいつらを数珠つなぎにしなけりゃあならねえ。又ひと騒ぎだ」
三人が大木戸の近所まで行き着くと、幸八は店の者に提灯を持たせて迎えに出ていた。丸多の店にはいって、半七は持参の線香をそなえて、家内の人たちに悔みの挨拶をした。