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ししゃのけんり
死者の権利
浜尾 四郎
Read 死者の権利 (ししゃのけんり) by 浜尾 四郎 (はまおしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 30,854 characters · 61 screens
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「仮りにもし有罪なりとするも」と冒頭して彼等は次いで第二線に退いて極力情状論において被告人を防禦しました。
殊にA弁護人は、自己が検事と全く反対の意見を有するは甚だ遺憾であるとして実際、私と正反対の意見を述べました。
彼は小夜子の人格をさんざんこき下した揚句、之を要するに被告人は小夜子の凄腕にひっかかったものである、カフェーの女などの書く手紙などというものは全く真をおくに足らず、純情の表われ所か、凄腕の殺し文句の云い表わしである。と一蹴し去り、更に、真に女が男に惚れていて捨てられた場合、自殺することは有り得るが決してかくの如く相手を脅かすものに非ずと論じ、次いで検事の疑問には直ちに解答を与え得と論じて曰く、かくの如き脅迫状を送る女は決して男を思っていたのでない。真に恋して居れば決してこんなまねは出来ぬ。と恋愛論を長々と述べ、なお金を請求したことについて検事は疑義を有せらるる如きも、前記の如きあばずれ女は勿論金の問題に来るはずである。何のために小夜子があんな脅し文句の手紙を書いたか、結局この解決に来る予備手段に違いないが、ここに気付かれぬのは賢明なる検事にも似合しからぬことだと皮肉を浴びせ、更に、当夜果して脅迫的のことをいったか如何かという点に関しては、この点について検事自身「被告者と被害者のみが知って