Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
みんげいよんじゅうねん
民藝四十年
柳 宗悦
Read 民藝四十年 (みんげいよんじゅうねん) by 柳 宗悦 (やなぎむねよし) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 182,248 characters · 368 screens
かく朝鮮の器物を好きになったのは、私にとっては種々生涯の方向を定める事にもなり、うたた感慨が深い。もっとも朝鮮の品を初めて買ったのは明治の末頃で、私が未だ学生の頃であった。神田の通りを歩いていて、硝子越しに一個の壺を内に見つけた。当時は何ものともよく判らなかったが、何か心を惹かれ、大枚三円で買い入れた。学生にとって当時の三円は決して安い額ではなかった。それは牡丹紋の壺で、半面は紋様が流れてしまってほとんど消えているが、半面の染付味がとてもよく、これを手にして悦んで抱えて帰ったのを今も覚えている。この記念すべき最初の一個は後年浜田庄司に贈った。きっと今も益子の浜田の家に残っている事と思う。
明治四十四年ロダンの彫刻が『白樺』に届き、その一個を私があずかっていたのを見に来たのが浅川伯教君(当時彫刻家を志していた)で、その時六面取りの秋草手の壺を土産にくれた。今も民藝館に大切に保存している。それから大正五年初めて渡鮮し、釜山に上陸するなり、いきなり見つけたのが『民藝四十年』の挿絵第四の鉄絵壺で、これらがきっかけで朝鮮李朝の陶磁に近づいたのである。その当時の京城の道具屋のことを書くと面白いが、他日に譲ろう。