Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

えどがわらんぽしにたいするわたしのかんそう

江戸川乱歩氏に対する私の感想

夢野 久作

Read 江戸川乱歩氏に対する私の感想 (えどがわらんぽしにたいするわたしのかんそう) by 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 6,478 characters · 13 screens

Aozora Bunko

そうして、それと同時に……かどうかわかりませんが……日本人のこうした種類の作品を、いつの間にか軽蔑しないようになっていたのでした。

大変に失礼な引例のしかたですが、正直のところ、小酒井不木氏の「恋愛曲線」を読んで、乱歩氏とは違った感じの「美の戦慄……戦慄の美」が日本にもう一つ存在する事を知ったのは、たしかに、それから後の事でした。甲賀三郎氏の「従弟の死」を読んで、純日本式の「良心の遊戯のモノスゴサ」がズンズン開拓されつつある事を知ったのも、それから後の事でした。羽志主水氏の「監獄部屋」に両手を握り合わせ、城昌幸氏の「神ぞ知ろし召す」に襟を正し、渡辺温氏の「可愛相な姉」に素敵を叫けび、小舟勝二氏の「或る百貨店員の話」に頭を下げ得るアタマになる事が出来ましたのも、やはり、それ以来の事に相違ないと思われるのです。

そうしてソレ以来、私は乱歩氏の幾多の作品を読んで、或はその脚色に失望し、又はその作風の執拗さに幾度となく反感をそそられながらも、その全体を通じての、氏、独特の筆力と、持ち味の魅力に引きずられながら、ある時は、その一と息の長さに「トテモ敵わぬ」