Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
Read 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 124,009 characters · 249 screens
そのため約千五百メートルから二千メートルのあたりが、まるで両国の大川開きの花火のようだった。
ところが、その次の瞬間であった。甲板のすぐ真上に、ぱらぱらぱらと弾けるような音がして、眼もくらむようなマグネシウムの大光団が現れた。その光団はしずしずと風にあおられて流れる様子だ。飛行甲板の上は、真昼のように照らし出された。日本の飛行機が、光弾を放ったのだった。
照空灯は、幾条も幾条も一つところへ集ってきた。二千メートル以上の上空をとんでいる日本機の翼に、照空灯が二重三重四重に釘づけになっている。
「誰かあれを飛行機で追いかける者はいないか」
と、司令塔の上ではリット少将がせきこんで叫んでいた。が、誰もこれに応ずる者はなかった。無理もない。味方の砲撃の間を縫って、日本機を追いかけるのは、自殺行為と選ぶところがないではないか。
日本機は、癪にさわるほど悠々と二千メートルの高空をぐるぐるまわっていた。高射砲弾はぱっぱっと花傘をひらいたように、日本機の前後左右に炸裂する。こんどこそは砲弾が命中して、機体はばらばらにとび散ったかと思われる。がしばらくすると煙の横から、日本機は悠々と白い腹をくっきりと現すのであった。