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しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
Read 深夜の市長 (しんやのしちょう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,982 characters · 220 screens
僕はその中へ指をさし入れてみた。
「うむ」
僕は呻った。手応えがあったのだ。摘み出してみると、黄金色目映ゆき、サイダーの栓抜きほどの大きさの鍵!
それには把手のところに、T市の紋章が浮き彫になって居り、鍵軸には「T市の鍵――T市長恒保存之」と刻してあった。
「おおT市の鍵だあ。万歳!」
「ああ黄金の鍵! 私たちの使命は遂に全うせられたッ」
僕たちは鍵を高くさし上げると、感極まって互いにひしと抱き合い、共に相手の胸に顔を埋めて嬉し泣きに泣いた。
これさえあれば、こっちのものである。さあ出かけようという速水を暫く押し止めて、乱雑になった室内を手早く片づけた。速水は鳥渡不服そうに見えたが、それでも一緒になって片づけた。
「この先生はどうしよう」
といって、速水が裸で寝ている動坂三郎を指した。これもまた元のようにする外ない。防弾チョッキもちゃんと元通り胸に当て、その上に寝衣を着せて帯まで結び、肩と足とを二人で担いでヤッコラサと寝床の中に寝かせた。
「オイオイ浅間君。そこはまだ敷蒲団だ。もう一枚まくらなきゃ……」
と速水は僕に注意をした。
「ナーニ、ここん中でも風邪を引きゃしないよ」