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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Read 火星兵団 (かせいへいだん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 307,889 characters · 618 screens
ひゅう、ひゅう、ひゅう。
地底から、かすかに響いて来るその気味の悪い怪音は、一体、何であったろうか。
ひゅう、ひゅう、ひゅう。
誰かが、地底で、口笛を吹いているように聞える。
だが、まさか、こんな地底に、人間がいるとは思われない。
では、機械の音ででもあろうか。
新田先生と千二とは、よりそって、なおもその怪音に聞入った。
「千二君、機械の音にしては、何だかへんだね。だって、早くなったり遅くなったりするようだよ」
「そうですか。機械の音でないとすると、何でしょうか」
「どうも、わからない」
と、先生は吐きだすように言った。
「もし、地底に、誰かがかくれているのだったら、われわれは今、たいへんあぶないことをやりはじめたことになるのかも知れない。と言って、せっかくここまで来たのだから、このまま引きかえすのも残念だ」
新田先生は、どうしようかと困っているらしい。
「先生、やっぱり、下へおりてみようではありませんか」
と、千二は、勇敢に言った。
「下へおりると言うのだね。よし、そんなら、行ってみよう。さらに一そう用心をしておりて行くのだよ」
それから二人は、さらに足音を忍ばせて階段をおりて行った。