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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Read 火星兵団 (かせいへいだん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 307,889 characters · 618 screens
その時であった。あたまの上はるかに、また、ごうんごうんと雷とも違う、気味の悪い音がしはじめた。
嵐の中に気味の悪いごうん、ごうんという音は、また大きくなって来た。
がらがら、ぴかぴかと、雷がひっきりなしにあたりの山々に落ちた。そうして、足の下に踏まえている大地が、地震のように揺れた。
その時先生の目は、一隻の火星のボートのすがたを捕えた。はげしい電光が、あたりを昼間のように明かるく照らした時、先生の立っているところから百メートルぐらい先に、火星のボートがあざやかに着陸するところを見てしまったのであった。
火星のボートは、例の通り大きな塔のような形をしていた。そうしてボートは、電光に見まがうような明かるい光に包まれながら、空中から降って来たのである。そうして、地ひびきとともに大地に突きささったのである。
先生は火星のボートが、地面に突きささってから、少し左右にゆらぐところまで、はっきり見てしまった。でも、思いの外やわらかく大地へ突きささった。何かよい方法があって、大地に近づくとともに、スピードをゆるめる仕掛がついているらしい。
そのうちに、また次の新しい火星のボートが降って来た。