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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Read 火星兵団 (かせいへいだん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 307,889 characters · 618 screens
岩山のかげからとびだした火星兵のむれは、ぴょんぴょんとカンガルーのように軽く、そうして早くとんでいく。
「おい、お前たち、逃げるのはいいが、さっきわしが言った通り、丸木に伝えるのだぞ。丸木が来なければ、こっちから丸木のところへ出かけるからそう思え」
博士は、盛に火星兵をおどしつけた。火星兵は、いよいよ驚いて、それこそ雲を霞と逃げていく。
「あははは、逃げちまった。火星兵って、いくじがないんだなあ」
と、千二少年は、嬉しそうに笑った。
そばにいた新田先生は、博士に向かい、
「博士。われわれは見つけられたのです。今にここへ火星兵団の大軍が、押しよせて来るでしょう。ですから、またガス砲をうつ用意をしては、いかがでしょうか」
と言えば、博士は首を左右にふり、
「それはそうだが、火星国へ来たら、なるべく彼等を殺さないのがいい。なるべく彼等を降参させるのがいいのだ。ガス砲をうつと、火星兵は、みんな死んでしまう。それとともに、いい火星人まで死んでしまう。わしが大勝利をいのっているロロ公爵とルル公爵も、今は出かけて、彼等の中にまじっているかも知れないから、ガス砲をうって、二人を殺すようなことがあっては、たいへんだ。