Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Read 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 112,810 characters · 225 screens
それに私は何だか持ちものが、これまでの所謂小説家とちがっているのだが、それが芸術的完成にまで到達していない、美しく素晴らしく脱皮し切っていない、そういう実に興味深い未知数が現在あるのです。稲子はいつもよい批評家であり鼓舞者で、私は注意ぶかくその言葉を考えながら、謂わば自分の発掘をしているようなところです。その点からでもこの長篇は重大な意味をもっているわけです。太郎のことはこの次、別に太郎篇をあげます。緑郎はついたということが分っただけ。あさってあたりお目にかかりに行きますが。この手紙では沢山書きのこしてしまった。本当に度々手紙を頂けるなら、実に、うれしい。
十一月十六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十一月十六日 晴 第三十六信
きょうは、おなかのわるい日の手紙。どうかして、おなかの工合がわるくて、今日お目にかかりに行こうとしていたのに、それが出来ず。その代りにこの短いお喋りをいたします。
『文芸首都』にこの頃の文学の一つのあらわれとしてルポルタージュのことについてかき、国文学の専門の雑誌に二十枚ばかりの鴎外、漱石、荷風の文学にあらわれている婦人観をかき、短い小説をかく前の気分できのうは珍しく文展見物をしました。