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げんだいてつがくこうわ

現代哲学講話

戸坂 潤

Read 現代哲学講話 (げんだいてつがくこうわ) by 戸坂 潤 (とさかじゅん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 268,337 characters · 522 screens

Aozora Bunko

処がこの存在――物質――はそれ自身が運動である。だから之は運動の動力を他の仮定された存在との交渉から借りて来る必要はどこにも無い筈であった。例えば人間の存在を優れて理性的なものとすれば之は感性との二元論を結果しなければならぬ(カント)。人間の存在が初めから感性的に規定されれば、理性も亦この感性から発展されることが出来よう(フォイエルバハ)。――だが、人は問うだろう、感性から如何にして、之と全く質の異った理性が展開され得るのか、感性からどうやって理性を出して見せるか、一般に、物質的存在からどのようにして観念的存在が引き出されるのか。併し、問題はここで、存在論から論理学に移る。この問題はもはや、哲学の体系ではなくて哲学の方法に関わる。

論理学に於て、観想的世界観又は観念論的存在論に相当するものは、形式的論理学である。或いは寧ろ形式論理的方法である。之に反して実践的世界観又は唯物論的存在論に相当する論理学は、弁証法的論理学である。或いは寧ろ弁証法的方法である。今この弁証法が唯物弁証法でなければならないということは、もはや説明を必要としない。ただ、注意すべきは、弁証法が必ずしも弁証法的論理には限らない、ということである。