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げんだいてつがくこうわ
現代哲学講話
戸坂 潤
Read 現代哲学講話 (げんだいてつがくこうわ) by 戸坂 潤 (とさかじゅん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 268,337 characters · 522 screens
永遠なるものは時間的なるものの正反対物である。然るに時は永遠の影であった(プラトン――プロティノス――アウグスティヌス)。時間を、その刻みを忘れて、時として取り扱おうという誘惑は、時間を第一義的に例の現象学的時間と考えることから由来する。之が時間を純化すると称する場合の仕組みに外ならないのである。――時間は併し、時間であるためには必ず何かの刻みを持たなければならない。で例えばアリストテレスに於ては、一息一息の運動(折れた運動は折れた角で一息ずつ休む必要がある)によって、即ち運動間の休止によって、総運動の時が刻みを入れられるから、時間は運動の数であるとも定義され得たのである。――その限り、刻みを入れることを又量化・数化すとも云えるだろう。
ただ自然科学では、この刻みの入れ方が、それ自身として或る意味で徹底しているために、人々は却ってこの刻みだけを独立化して、之を以て時間自身に代えようとする。時間は刻みで以て定義される(時刻――時限)。併し刻みをこのように誇張することは、自然科学が時間を(それの刻み方に就いて)全く等質化すことを意味する。というのは、地球の公転という自然現象を計量の基準とした上でではあるが、その時間の刻みの位置はどこに置かれてもよいのである。