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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
Read 現代日本の思想対立 (げんだいにほんのしそうたいりつ) by 戸坂 潤 (とさかじゅん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 125,540 characters · 245 screens
最近著しい勢で画期的な理論が次ぎ次ぎに出されたのは、なんと云っても物理学の世界だろう。一九〇〇年プランクによって量子説が唱えられ、一九〇五年にアインシュタインが相対論を発表してからというものは、実にめざましい変革がなされた。そして一九二四、五年頃からド・ブロイやシュレーディンガーによって、波動力学や、電子の活動性の提唱がなされ、また、ハイゼンベルクなどによって、量子力学や、不確定性原理が発表されたことは、この国の科学理論研究の高揚に影響を与えている。かつては、アインシュタインや、原子構造論で有名なゾンメルフェルトが来朝しており、また最近、ハイゼンベルクやディラック、ベック、ラングミュアなど、理論の権威がやってきて、生々しい学説を講演するのだから、この国の科学者たるもの、刺激されないではいられない。だから、理研に陣どって原子核や宇宙線、微粒子に関する尖端的研究をやっている仁科芳雄博士や、杉浦義勝博士、嵯峨根遼吉氏其の他の諸氏が躍気とならないではいられない筈だ。仁科博士は超ガムマ線吸収に関して、クライン‐仁科の式をつくった人だ。いまは阪大にいる菊地正士博士は、理研の西川研究室にいたとき、電子の波動性を実験的に立証したことはあまりにも有名だ。