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しろいしたじ
白い下地
泉 鏡花
Read 白い下地 (しろいしたじ) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 1,291 characters · 3 screens
即ち友染は色が混って居るがため、其の女の色の白いと然らざるとに論無く、友染の色と女の顔の色とに調和するに然までの困難は感ぜぬ。緋縮緬に至っては然にあらざることは前に述べた。
是を以て見るに、或る意味から之をいえば、純なる色を発揮せしむることは困難といい得る。さればこそ混濁された色が流行するようになって来た。かの海老茶袴は、最もよくこれ等の弱点を曝露して居るものといわねばならぬ。
また同じ鼈甲を差して見ても、差手によって照が出ない。其の人の品なり、顔なりが大に与って力あるのである。
すべての色の取り合わせなり、それから、櫛なり簪なり、ともに其の人の使いこなしによって、それぞれの特色を発揮するものである。
近来は、穿き立ての白足袋が硬く見える女がある。女の足が硬く見えるようでは、其の女は到底美人ではない。白い足袋に調和するほどの女は少いのである。美人が少いからだ。足袋のことをいうから次手に云っておく。近来は汚れた白足袋を穿いて居るものが多い。敢えて新しいのを買えとはいわぬ。せつせつ洗えば、それで清潔になるのである。
或る料理屋の女将が、小間物屋がばらふの櫛を売りに来た時、丁度半纏を着て居た。