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いしのかみとさえのかみと
石の信仰とさえの神と
折口 信夫
Read 石の信仰とさえの神と (いしのかみとさえのかみと) by 折口 信夫 (おりくちしのぶ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 7,221 characters · 15 screens
この塚の前を通ると、女が孕むことがあるという。これは、塚に魂があって、人の中にはいろうとしており、女の人が通るとその体にはいって懐妊することになるのである。この話がある点解釈の鍵になるかもしれぬ。つまり、まだ人間になりきらぬものの墓は、別に造る習慣があった。琉球では、家々の墓とは別に離して、「わらびばか」(童墓)を作ってある。共同墓地みたいなもので、つまり、一人前にならずに死んだものの墓ということになる。これにもいろいろあって、子供で死んだものとか、赤ん坊で死んだものとかの区別がある。子供と赤ん坊とは、昔の人にはまぎれやすい。青年と大人とは違う。青年で村の中心になったものに対して、子供はまだ完成せぬものだから、家族の一人にははいれない。こんな考えは、こちらにもあったのだろう。特殊なものは、別の墓に葬るという考えである。村の外れにその墓を作ったのが変わってきたのか、また、他のものと結びついたのか、とにかく、子供とさえの神との関係を考える導きになる。
もう一つは、その村と関係のうすい他郷のものを、死後、村の外れに丁寧に葬ると、村のためにつくしてくれると考えた。