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いしのかみとさえのかみと
石の信仰とさえの神と
折口 信夫
Read 石の信仰とさえの神と (いしのかみとさえのかみと) by 折口 信夫 (おりくちしのぶ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 7,221 characters · 15 screens
だから、石が子を生むことは簡単に説明できる。ところが、石が成長するのは、人間と同じことである。たまが石に宿っているのは、一時の状態であって、本当は人体にはいらねばならぬ。それなのに、だんだん、石にとまっているたまを考える。つまり、信仰の対象としての石を考える。はいってくるものに威力を感じさせると、たまの威力で、石がだんだん大きくなると考える。だから、日本の石は、いろいろな信仰の対象となりやすい。
神を溯ってゆくと、たまになり、たまから神さまという澄みきった考えに進んでゆくから、神さまの神さまたる力をば留めておくところが、石ということになる。石を神だと考えぬまでも、神を祭るためには、石の中に、たまがはいっているものとして、たまの所在である石を祀る。また、石の中にはいっているたまを祀る。だから、われわれの国のあらゆる社や祠の神体を調べると、石であることがたくさんある。清らかな石そのものであることが多い。かならずしも、生殖器の形をした石とは限らぬ。
近代的な神道の広く行なわれない時代には、神を祭るのに、石を祠の中に入れておいたから、山の神も、えびすさまも、こんぴらさまもみな、石で表わされている。