Japanese reading practice

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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Read 石狩川 (いしかりがわ) by 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 253,535 characters · 506 screens

Aozora Bunko

「家がある!」

それは声にならず、しかし彼は絶叫して穴からとびだした。

だが何処にも見えなかった。まッ白い雪の巨濤がそのままの形でぴたりと停止していた。

段丘を吹き抜けて来た烈風は、この外れで墜ちて逆転した。雪庇の軒下をえぐり取ってその向うに吹きだまりをつくっていた。

その上に二三の人影があらわれたのである。見通しの利く高さで、彼らは立ちどまった。すぐに彼らは雪庇の穴を発見した。担いでいた銃をおろした。何か喋りあった。そして、一足々々、用心ぶかく近づいて来た。

明るすぎるほど輝く朝になった。

顔が見えだした。

「おッ!」と、雪堆の上にいた男らは銃をふりまわして叫んだ、「おぬしゃア――」

その声を聞くと同時に高倉はばったり倒れていた。

「――お手前は高倉の祐吉」

彼らは雪けむりを立てて駈けよった。

「ここまで来て」と別の声がそれを抱きあげながら云うのだ。

その吹きだまりを越えさえすれば、まッ直ぐに彼らの伐木小屋に行きつけたのだ。そこにトウベツの地があったのだ。高倉らが北と思ったところは、実は南であった。

「狼なんぞはどうでもよろしい、早う、そなた、手伝いを呼びに行って――」