Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
いのうはりまのかみ
稲生播磨守
林 不忘
Read 稲生播磨守 (いのうはりまのかみ) by 林 不忘 (はやしふぼう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 14,172 characters · 29 screens
奎堂 それでは、未熟ながら仰せにしたがいまして――。
と座を改めて、まず播磨守の佩刀を小姓に乞い受け、うやうやしく一覧する。
奎堂 さすがは太守のお腰の物、領民鼓腹、お家万代のはなはだ吉相、上々吉と観相つかまつりまする。相州でございますな。正宗でございますな。まことに御名作で。
次ぎに家老矢沢の刀を観相し、同じく賞める。それより席順に諸士の刀を受けては、相を案ずる。
奎堂 ははあ、陸奥守包保、左文字大銘に切ってござろうな。左陸奥守――いたって吉相。常用差しつかえござらぬ。(つぎの刀を受け取って)うむ、虎徹が出ましたな。これも善相。いや、ちょっとお待ちを――ふうむ、少々相が荒びておりますな。めったに鞘走りいたしませぬように、ちと御用心を。
つぎつぎに刀を観ていく。一同は帯刀を下げて、交る代る起って奎堂の前へ行き、相を受けては座に帰る。いつの間にか人々の背ろに、税所郁之進が来て坐っている。それと見て、加世は播磨守のかげに身をすくめる。
奎堂 これは佐々木一峰の作とお見受けいたす。吉凶あいなかば――次ぎ。筑前利次ですな。素直な相でござる。つぎ――守正でしょうか、安永でしょうかな。