Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん
空中漂流一週間
海野 十三
Read 空中漂流一週間 (くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 17,324 characters · 35 screens
それは六条が食糧の入っている戸棚を知っていて、それを引出しては分けあって喰べたからである。しかし困ったのは、水が一滴もなくなったことである。二人は、寝たままで、ときどき口を利いた。
「おい、キンチャ。もうどの辺を漂流しているかなあ」
「この気球は、最初北へいって、その翌日は西へ流れた。そしてもう四、五日にはなるだろう。すると、これはどうも外蒙かザバイカル区の辺まで流れて来ているよ」
「そんなになるかなあ。よし今日はなんとかして腕の力で起きあがる練習をして、一度ゴンドラの外をのぞいてみたいものだ。俺は、太平洋の真中あたりへ出ているような気がするが」
そしてまた、二人は昏々と眠った。
どれだけ眠ったか、飛行機の爆音がするので、二人は目が覚めた。気をつけていると、飛行機は、ゴンドラの周囲をぐるぐる廻っているらしい。ときどき、ゴンドラの縁と気球との間に、飛行機のような形が見えるのだけれど、二人とも視力がよわっていて、はっきり見えない。
そのうちに、サイレンらしいものが鳴るのが聞えた。
「気のせいか、××陣地のサイレンと同じ音色だが……」
「なにをいうんだ。あれはザバイカル管区の号笛だ。