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くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
Read 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 95,012 characters · 189 screens
「大尉どの、いよいよ、穴の奥まで、近づいたらしいですよ」
「そういえば、だんだんと天井が、低くなってきたね」
「入口で、三人、やっつけたばかりで、ここまで来ても、更に敵影を認めず、ですな」
「ちと、おかしいね。どこか、逃げ道が、慥えてあるのだろうか」
「いままでのところには、探さない別坑は、一つもなかったのですが」
「おや、地盤が、急に変ったじゃないか。これは、燧石みたいに硬い岩だ」
草津大尉の声のする方に、道後少尉が、懐中電灯を照しつけてみると、なるほど、今までの赭茶けた泥土層は無くなって、濃い水色をした、硬そうな岩層が、冷え冷えと、前途を遮っていた。
「こんなところに、鑿岩機が、抛り出してあります」
「こっちの方にも、一台、転がっているぞ」
「地盤が、固くなったので、諦めて、引上げたのでしょうか」
「それにしては、おかしい。その辺の壁を、叩いてみよう」
泥が、バラバラと、崩れ落ちた。
「おお、これは※(感嘆符疑問符、1-8-78)」壁体に、ポカリと、孔が開いた。
懐中電灯を、さし入れて見ると、その孔は上り気味になっている。
草津大尉は、道後少尉を促して、尚も恐れず、前進して行った。