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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
Read 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分) (あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 196,342 characters · 389 screens
菓子折が積んで有りまするが、蒸菓子の方は悪くなるから先へ手を附け、干菓子の方は下積に残って居りまする。其の他道了さまのお丸薬に帝釈さまのお水が有りまする、此方の唐木の違棚には、一切煎茶の器械が乗って居りまして、人が来ると茶盆が出る、古染附の茶碗古薩摩の急須に銀瓶が出る、二ツ組の菓子器には蒸菓子と干菓子が這入ってありますという、万事手当が届いて居りまする。若草は藤掛色の室着を羽織り、山繭の長襦袢に、鴾色のしごきを乳の下から、巾広にして身重の腹を締めて居りまする。髪は乱れたのを結び直して、また毀れたので鬢の毛が一杯に顔から襟に掛って居りまするが、美人の煩ってるのは酷く美いもので、色の青い上に少し黄ばみが有ります、身重になりますと、いやアに生白くなりまするもので、黒檀柄の火箸を一膳火鉢の中へ突入れて之を杖に額を当てゝ、只伊之助の事ばかりくよ/\と思い続け、泣いてばかり居ります。
番「花魁アノ正孝はんが来なましたよ、松新で花魁の病気のことを聞いて、好なものを持って来なましたから起直って、些と気の紛れるようにしなましよ、花魁お起きなましよ、そう遣って居ると火気が顔へ当って逆せ上るから顔を上げなましよ涙で灰がかたまる