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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
Read 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分) (あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 196,342 characters · 389 screens
妙「ファイ」
と鼻の障子の無くなった尼が和尚の居間へ参り、
妙「お師匠はん何んひゃか深川辺の者やとひゅうて、十八九になる娘で御座えまふが、誠に因縁が悪いはら、尼に成りたいと申ひて来まひたが、如何致まひょう」
美惠「おまえの云う事はちょッとも解りやせん」
と云いすて、暫らく手を膝に置き、眼を閉じて考えて居りましたが、
美惠「イヤ/\その娘さんは因縁が悪うて尼には成られんから、お帰し、懐妊の身の上で有りながら尼に成っても無駄な話だ、身重の身体で尼に成られるものか、断って帰しなさい」
と低い声で云うようだが美惠比丘尼の云うことはピーンと台所まで響き、お雪の耳を貫ぬくように聞えましたから、お雪は心の中で、
雪「アヽ恐れ入ったお智識様、成程私は身重の身体で尼に成ろうと思ったは迷いで有った、アヽ因縁の悪い身のうえ、一層の事一思いに身を投げて死ぬより他に仕方がない」
とおろ/\泣きながら蟠竜軒を出て、向島の土手伝いに帰って参りますと、ポツリ/\と雨が顔へ当ります。只今は八百松という上等の料理屋が出来ましたが、其の時分あの辺は嬉しの森と云いまして、樹木の生茂りて薄暗うございまする。