Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

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みどりのめ

緑の芽

佐左木 俊郎

Read 緑の芽 (みどりのめ) by 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,815 characters · 10 screens

Aozora Bunko

子供達も、学校の時間に急きたてられながら、飯になるのばかりを待っていた。

「学校さ行く小児も、やきもきしていんのに……」

祖父は最後にこう呟いて、真赤にやけた向こう脛を一撫でして腰を伸ばした。そして、菊枝を蹴起こしてやるというような意気込みで、彼女の寝ている部屋に這入って行った。

二

みんなが食卓のまわりを襤褸束を並べたように取り巻いて、いざ食事にかかろうとしているところへ、彼女の父親が他所から帰ってきた。みんなは彼を眼で食卓の傍へ招いた。

父親は近所での見聞を、断片的にものがたりながら食卓に就いたが、食事にとりかかってその種を失った。祖父は重い口調で命令的に訴えた。

「松三。少し菊枝さ、言ってきかせて置がせえちゃ。俺言ったて、馬の耳さ念仏だから……」

祖父はこう切り出して松三の顔を見、菊枝の表情に見入り……。

菊枝の頬はほんのりと紅がさして、自然に項垂れてしまった。そして彼女は、まるで飯粒を数えるように、飯粒の上に、箸の上に、小さな動作を繰り返した。

「まだ初稼ぎだで、山仕事で疲れてんのがと思えば……」

祖父は容赦なく続けた。

「この忙し時、朝っぱらから、寝床の中で、書物を見てがるんだから……本当に呆れだもんだ。