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かんがえこじき
考えこじき
小川 未明
Read 考えこじき (かんがえこじき) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,263 characters · 9 screens
「いったい、だれに責任があるのだろうか。」と、清吉はあくまでも思ったのです。
「清ちゃん、なにしてんの? はやく、たまをおなげよ。」と、Kは、さいそくしました。
「考えていたのだよ。」
「どんなことさ? 考えたってしかたがないじゃないか。だれでも、できることは、自分でするんだよ。考えこじきの銭とらずというのだろう。」
「よし、わかった! こんどは強いたまだぞ!」と、清吉は、はじめてほがらかにさけびました。
「いいよ。」
まさに、日はくれようとしていました。そして、はるか西北の、だいだい色の空に、むらさき色をしたひとつづきの山脈が、頭をならべていました。それをみて、清吉は、写真にあった、山や谷を思い出しました。いまごろは、そこも、夕やみがせまったであろう。そして、深山の静けさをやぶって、岩にはげしくつきあたる流れが、白くあわだつであろうと思いました。
せみの声に、耳をすましながら、往来に立っていると、かえりをいそぐ人々の顔にはよろこびがあふれ、みな愉快そうでした。
そのとき、Kの、大きな声が、夕映えの空に、はずみかえって、Bや、Yと三人が、こちらへかけてきました。