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じがぞう
自画像
黒島 伝治
Read 自画像 (じがぞう) by 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 2,164 characters · 5 screens
ところが、彼自身でやる段になると、そういうことは皆目よくしない。そんなコツをさえもよう会得しない。そのくせ、人の醜悪面を見ては不公平だの、キタないのと云ってこぼして居るのだ。こんな奴は田舎へ行って百姓でもして居る方が柄に合っているのだ。──百姓をすると又、地子が高いの、取った米の値が安すぎるのとブツ/\こぼすであろう。
蛇の皮をはいだり、蛙を踏みつぶして、腹ワタを出したりするのは、一向、平気なものだ。一体百姓は、そんなことは平気でやる。、それくらいの惨酷さは、いくらでも持合わしている。小説の中でなら、百人くらいの人間は殺して居るだろう。人を殺すことや、怪我をさすことはなか/\好きな男である。
一体、プロレタリア作家は、誰でも人を殺したり、手や足をもぎ取ることが好きである。彼も、その一人である。まるで、人を殺さなければ小説が出来ないものゝように、百姓も殺せば、子供も殺す。パルチザンでも、朝鮮人でも、日本人でも、誰でも、かれでも殺してよろこんで居る。「橇」とか「パルチザン・ウォルコフ」などを見れば、これはすぐうなずける。彼は又、「二銭銅貨」では子供を殺している。