Japanese reading practice

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しば、あざぶ

芝、麻布

小山内 薫

Read 芝、麻布 (しば、あざぶ) by 小山内 薫 (おさないかおる) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 7,170 characters · 15 screens

Aozora Bunko

「紅葉山人白骨」というのが献立にあるので、みんなが驚いた。それは、鹿か何かの髄のついた骨で、楊子代りに、おもちゃのような塔婆がついているものだった。

竜土会では、酒がはずんだ。議論はしょっちゅうのこと、喧嘩も折々はあった。現に、私も会員の一人に杯を投げつけられて、温厚な柳田氏を困惑させたことがあった。併し、あの時分は、みんなお互いに遠慮をしなかった。作の上のことでも、生活の上のことでも、忌憚なく物を言い合った。もうああいう空気は現代にはない。

しまいには、後輩組の武林までが酔っぱらって、

「やい、小山内、貴様は藤村の前へ出ると、頭が上らないじゃないか。弱虫め。」などと罵倒するようになった。

談論風発では、何といっても国木田独歩が第一だった。文字通りに口角泡を飛ばして、当時の旧文芸を罵倒した。あの刺すような皮肉は、今もなお耳底に残っている。

今の竜土軒は、先代夫婦の亡きあとを承けて、好人物らしい養嗣子が経営ているが、その時分の吾々の文反故を、今でも大切に保存している――

古今独歩と大きく書いて、下に国北生と署名したのは、独歩が酔余の達筆である。自分の似顔に鬼のような角を生やして、毒哺生と名を署したのも彼である。