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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Read 草迷宮 (くさめいきゅう) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 71,733 characters · 142 screens
昼過ぎに、宰八が来て、その話。
私はその時分までぐっすり寝ました。
この時おかしかったのは、爺さんが、目覚しに茶を一つ入れてやるべいって、小まめに世話をして、佳い色に煮花が出来ましたが、あいにく西瓜も盗んで来ない。何かないか、と考えて、有る――台所に糖味噌が、こりゃ私に、と云って一々運ぶも面倒だから、と手の着いたのじゃあるが、桶ごと持って来て、時々爺さんが何かを突込んでおいてくれるんでした。
一人だから食べ切れないで、直きつき過ぎる、と云って、世話もなし、茄子を蔕ごと生のもので漬けてありました。可い漬り加減だろう、とそれに気が着いて、台所へ出ましたっけ。
(お客様あ、)
(何だい。)
(昨夜凄じい音がしたと言わしっけね、何にも落こちたものはねえね。)
って言いながら、やがて小鉢へ、丸ごと五つばかり出して来ました。
薄お納戸の好い色で。」
二十七
「青葉の影の射す処、白瀬戸の小鉢も結構な青磁の菓子器に装ったようで、志の美しさ。
箸を取ると、その重った茄子が、あの、薄皮の腹のあたりで、グッ、グッ。
一ツ音を出すと、また一つグッ、もう一つのもググ、ググと声を立てるんですものね。