Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Read 虞美人草 (ぐびじんそう) by Natsume Sōseki (夏目 漱石) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 198,559 characters · 401 screens

Aozora Bunko

立憲政体だの、万有神教だの、忠、信、孝、悌、だのってさまざまな奴があるから」

「なるほど、蕎麦屋に藪がたくさん出来て、牛肉屋がみんないろはになるのもその格だね」

「そうさ、御互に学士を名乗ってるのも同じ事だ」

「つまらない。そんな事に帰着するなら雅号は廃せばよかった」

「これから君は外交官の雅号を取るんだろう」

「ハハハハあの雅号はなかなか取れない。試験官に雅味のある奴がいないせいだな」

「もう何遍落第したかね。三遍か」

「馬鹿を申せ」

「じゃ二遍か」

「なんだ、ちゃんと知ってる癖に。はばかりながら落第はこれでたった一遍だ」

「一度受けて一遍なんだから、これからさき……」

「何遍やるか分らないとなると、おれも少々心細い。ハハハハ。時に僕の雅号はそれでいいが、君は全体何をするんだい」

「僕か。僕は叡山へ登るのさ。――おい君、そう後足で石を転がしてはいかん。後から尾いて行くものが剣呑だ。――ああ随分くたびれた。僕はここで休むよ」と甲野さんは、がさりと音を立てて枯薄の中へ仰向けに倒れた。

「おやもう落第か。口でこそいろいろな雅号を唱えるが、山登りはから駄目だね」と宗近君は例の桜の杖で、甲野さんの寝ている頭の先をこつこつ敲く。