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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Read 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) by 室生 犀星 (むろうさいせい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 88,662 characters · 174 screens
」
「すぐ判って了うよ、どんな小さい木でも、みんな頭に覚えているからね。」
「おじさま、あれ、目高が池から飛び出しちゃった、危い、危い、ちんぴらのくせに勢い余って飛び出すやつがあるものか、ほらね、酷かったでしょう、眼を白黒させているわ。」
「水をいれ過ぎたかな。」
「お池の岸まで、お水をぴったり入れてあるからなのよ、それでは、ちょっとはねて見たくなるのね、おじさまが悪いんだ。」
「この頃目高の数がだいぶ、減って来たようだ、ひょっとすると。」
「そんなにあたいの顔を、見ないでよ、そんなに食べてばかりいはしないわよ、疑りぶかく見つめていらっしゃる。」
「百尾もいたのに、もう、ばらばらとしかいないじゃないか、総計、五十尾もいない。」
「あたい、食べはしないもの。とても、にがい味がしていて、頭なぞ目高のくせにかんかん坊主で硬いのよ、食べられはしない、ふふ、でもね、内緒だけど弱っているの、いただくことあるわ。」
「にがいのが美味しいんだろう。」
「うん、かんぞうがにがくてね、とても、わすられない美味しさだわ。」
「そこで一尾ずつ呑みこんだ訳だね、生餌だと、うんこの色も臭いもちがって来るんだ。