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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Read 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) by 室生 犀星 (むろうさいせい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 88,662 characters · 174 screens
」
「うん、あたいを大事にしてくれる人がいるの。」
「余程の金魚好きな奴なんだな、じゃ、冬の間はからだに気をつけてな、来年の春また思い出したら来てくれ。」
「おじいちゃんもお年だから、杖でもついて気をつけてね、あまり焼酎をおあがりになると、お腹が焼けてくるわよ。」
「うん、判った。」
「さよなら、あたいの育ての、二人とない大事なおじいちゃんよ。」
「卵から育てた生きのよい、お化けの三年子よ。」
「あの金魚屋のおじいちゃんは、とても、好いお人でしょう。」
「好い方ね、あなたの何に当る人なの。」
「そうね、しんせきみたいな人か知ら。」
「だってしんせきって変ね、ただの金魚屋さんなんでしょう、何の関係のない方なんでしょう。」
「ええ、それはそうなのよ、けど、こんなお話よしましょう、それよりお帰りにちょっと寄って、おじさまにお会いになって頂戴、でなかったら、折角いらっしったのに詰んないじゃないの。」
「けど、これから、お買物をしなきゃならないの。」
「じゃ、お買物を先になすったらどう。」
「ええ、そうね。」
「何をお買いになるんですか。」
「お野菜なんだけれど。」
「そこのお店にはいりましょう。